18 posts categorized "災害"

2011年6 月16日

福島第1原発に水中ロボットを投入か?

ロボコンマガジン2011年7月号が届いた。この号の緊急特集「東日本大震災とロボットたち」用に、ロボットを提供した米国企業3社(iRobot, QinetiQ North America, Honeywell International)の責任者をそれぞれ電話インタビューした。日本における報道が主に東京電力が提供する情報に基づいているため、ロボット・メーカー側の話を直接聞くことができてよかった。ロボットを提供するにいたった経緯が3社で異なるのは興味深かった。

個人的にはQinetiQ社の話が一番おもしろかった。福島で使われている同社の陸上ロボット「TALON」が実はすでに日本の警察向けに輸出されていること、それらがサリン検知器を装備していることを初めて知った。また、同社が福島第1原発の原子炉建屋内で使える水中ロボットに関する依頼を受けて、提供する準備を進めているというニュースもインタビュー中に飛び出した。

下は同社の水陸両用クローラー型ロボット「C-TALON」の写真。関心のある読者はぜひロボコンマガジン2011年7月号をご覧ください。

QinetiQ Photo 4

2011年4 月27日

原発災害ロボットの第一人者、Red Whittaker教授をインタビュー

Whittaker_4  カーネギー・メロン大学(CMU)のRed Whittaker教授をインタビューしました(写真はCMU提供)。記事はWall Street Journal日本版をご覧ください。 

 実は先日、ロボコンマガジン2011年5月号Google Lunar X PRIZEの記事を書くのに、同教授に取材を申し込みました。地震が起きる前のことです。でも結局、音沙汰なしで、代わりに、同教授と共同で大会参加のための会社を設立した社長さんにお話をうかがいました。

 そういった経緯があるので、今回も駄目モトで取材を申し込んだところ、即座にお返事をもらいました。それだけ原発災害ロボットには熱い思い入れがあるのだと思います。

 また今回、ロボットとは関係ありませんが、前々から質問したかったことも聞くことができました。同教授の本名はWhilliam さんですが、世界ではRed Whittakerとして有名。このRedという名前はどこから来たのか?「子供のころ赤毛だったから」だそうです。それで、本名よりもRedのほうが自分にしっくりくるからと、今は小切手の署名などもRedだそうです。で、記事中もRedのほうが好ましいということでしたので、そうしました。

 直接お話を聞く機会があるのは今回が2度め。1度目は無人ロボット車のレース、アーバン・チャレンジの時でした。そのときの記事はここにあります

2011年4 月20日

小型無人機「T-ホーク」が撮影した福島原発の映像

 米Honeywell社のT-Hawkが撮影した福島第1原発の様子。東京電力のサイトにもアップされているが、ファイルをダウンロードするのが面倒、という人は、IEEE Automatonが動画をYouTubeにあげている。

 Honeywell社が出したプレスリリースから抜粋すると、

Three Honeywell employees, trained to fly the unmanned T-Hawks remotely, have flown five successful missions and captured hours of video and dozens of photos of the nuclear reactor. The four T-Hawks in service at Fukushima Daiichi have been adapted to carry radiation sensors.(T-Hawkを遠隔操作するためのトレーングを受けたHoneywell社の従業員3人が、これまでに5回の飛行ミッションを行い、原子炉の様子を示す何時間分もの動画と何十枚もの写真を撮影するのに成功した。福島第1発電所で使われている4機のT-Hawkは放射線センサーを搭載できるよう改良された。)

 資料によると、T-Hawkは最長6マイル(約9.7km)離れたところから操作できるとあるので、アイロボットのPackBotと違って、ロボット・メーカーの社員にコントロールを任せているということなのだろうか。1回で40分ずつ飛行できると書いてある。

 以下はHoneywell AerospaceのTim Mahoney社長のコメント。

 「The T-Hawk reminds us that innovative technologies initially created for defense purposes can find crucial roles in humanitarian and disaster recovery efforts」(最初は防衛目的で開発された革新的技術が、人道主義的な目的や災害復旧活動で重要な役割を果たせるようになることを、T-Hawkは再認識させてくれる).

  T-Hawkが撮影した映像。 

2011年4 月13日

ロボット分野の大御所、ジョセフ・エンゲルバーガー氏をインタビューしました

Engelberger  インタビューの内容はWall Street Journal日本版のコラムをぜひご覧ください。

 「そもそも他のことを目的に開発されたロボットが(原発で)使えないのは当然だ。=中略= 地震が起きてから今初めて、ロボットに要求される仕事が明らかになりつつあるのだ。それを知る前に、ちゃんと使えるロボットを開発することはできない」

 そして、これから、原発災害に対応できるロボットを開発することは、「これまでの日本の経験から言って、それは可能だ」とし、「それができるチームの責任者に私が就きたいくらいだ」とおっしゃっていました。

 この話ができるだけ多くのロボット関係者の方々に届き、励みになることを願ってやみません。

 今回のインタビューを実現するのにご尽力いただいた、Innovation Matrix社の大永英明社長に心より感謝申し上げます。同社長は世界初の産業用ロボットの会社、Unimation社でエンゲルバーガー氏のもとで働いていらっしゃいました。

 また、写真をお送りいただいた、エンゲルバーガー氏のお嬢様、Gay Engelbergerさんにもお礼を申し上げます。この写真はGayさんのご自宅のマントルピースに飾られているもので、それ額からはずして速達で送ってくださったのです。それをこちらでスキャンして原稿といっしょに出しました。写真はもちろん返却しました。

 インタビューの内容の原文にご関心のある方は、英文GetRoboをどうぞ。 

2011年4 月11日

メディアに知らされている以上に被災地でロボットが使われている?

 レスキュー・ロボットの分野で著名な米テキサスA&M大学のRobin Murphy教授が、日本に滞在した後、いったんテキサスに戻ったという。同教授が今日、更新したブログ記事によると、1週間後に日本に再び飛ぶようだ。

 同教授はこの記事の中で、以下のように書いている。

 「I’m reluctant to post with what I’ve heard or been working on due to lack of permission or lack of verification, but I believe there are more robots being used in useful, rational ways than the press knows about. The robotics community is pulling together and supporting the efforts discretely, as press is very distracting during a crisis. (許可や確認のないまま、私が聞いたことや取り組んできたことについて書くことに抵抗があるが、報道陣が知っていること以上に、もっと多くのロボットが有益で合理的な方法で使われていると私は信じている。ロボット関係者は協力しながら、取り組みを個別に支援している。危機の最中にはメディアはたいへん気が散る原因になるので。)

 また、同教授らは来週には、海洋ロボットを用いて、国際レスキューシステム研究機構(IRS)を支援できる見通しだとしている。