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2010年5 月18日

ロボットとプライバシー、人間が「独り」でなくなることの影響

 ロボットがどんどん身近な存在になってくると、プライバシーの問題が出てくる。すぐに思いつくのは、①ロボットを使った監視の問題と、②家庭内のロボットが記録した情報にどれだけ外部の人間がアクセスできるかという問題だ。しかし、プライバシーに関連して第3の問題が存在することを初めて知った。

 スタンフォード大学法学部傘下のCenter for Internet and Societyのフェローで、科学技術と法律に関する研究に取り組むRyan Calo氏は第3の問題として、「social meaning(社会的意味)」 を挙げる。「社会的意味」と聞いてもすぐにはピンと来ないが、同氏は、ロボットがどんどん人間に似てきて、人間とやり取りができるようになると、以下の3つの危険が生まれると説明する。

 1. 家の中や車の中にロボットが常にいる状態は、人間が「独り」でいる時間を少なくする。これは(長期的に)人間に精神的危害を与えることになるのではないか。

 2.ロボットが人間から情報を引き出す「ロボット取調官」が将来出てくる可能性がある。ロボットは人間のような格好で人をほめたり脅したりしながら尋問でき、しかもロボットは疲れも恥も知らず、記憶力が100%。

 3.洗濯機や炊飯器をセットするのと違って、パーソナル・ロボットのセッティングは、その人の私的な趣向や性格を反映することになるが、そうした情報を現在の法律は保護しない。これは②の問題と通じるものがある。

 これはいろいろと考えさせられる。「ロボット取調官」については、先日の自分の経験を思い出した。テレプレゼンス・ロボットを使って、展示会場の来場客をインタビューする実験をしたのだが、面と向かうと聞きにくいことが聞きやすいという感覚を持った。

 Calo氏の考えは①と②を含めペーパーにまとめられており、ここからダウンロードできる。来年初めに"Robot Ethics: The Ethical and Social Implications of Robotics" という本が複数の著者によってMIT Pressから出版される予定で、そのワン・チャプターになるとのことだ。

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