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2011年3 月28日

原発災害ロボットの開発を手掛けたRedZone Roboticsという会社

 過去の原発事故で役立ったロボットはないのかと調べ始めたところ、ピッツバーグにRedZone Roboticsという会社があることを知った。

 同社は1987年にカーネギー・メロン大学のWhilliam Whittaker教授が設立した会社だ。最近だと、DARPAの無人ロボット車レース「アーバン・チャレンジ」で優勝したチームのリーダーとして、同教授は有名。

 少し歴史をひもとくと、同教授は1979年に起きたスリーマイル島の原発事故の後、現場で使えるロボットの開発依頼を受けた。同教授の研究室が開発したロボットは、損傷した原子炉の様子を初めて映し出すのに成功。その後、1台のロボットは4年間(!)、放射線を浴びた建造物の取り壊しや水、溶融した燃料の処理で活躍したという。

 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の後も、同教授たちが開発したロボットが使われた。そして、人間には危険な場所で作業ができるロボットを商品化するため、RedZone Robotics社を設立。Whittaker教授のあだ名が「Red」であること、Red Zoneとは「危険区域」という意味であることが社名の由来だ。

 チェルノブイリで使われたロボット「PIONEER」に関する記事がここに出ている。記事によると、PIONEERは長さ約1メートル、高さ約1メートル、遠隔操作型で、以下のような機能を備えていた。

☆Generate photo-realistic 3-D images of the reactor interior (写真に近い、原子炉内部の3D画像の撮影)

☆Develop radiological maps of the interior to help operators and contractor personnel plan safe stabilization and remediation activities(人間の作業者が安全に復旧作業に取り組めるよう、内部の放射能レベル地図の作成)

☆Monitor temperature and humidity conditions to keep additional radiation from leaking into the environment (外部環境にさらに放射能がもれないように温度と湿度のモニタリング)

☆Move and clear debris to create safe ingress and egress for other machines and workers during remediation activities (復旧作業のために他の機械や作業者が安全に出入りできるような出入り口を作るための瓦礫の除去)

☆Collect core samples of structural material to determine the integrity of impacted walls and columns (壁や柱の完全性を見極めるための建造物のサンプル収集)

 大いに役立ったロボットたちだが、その後、RedZone社は危険作業ロボットの事業化を断念する。2008年5月のこの記事によると、その5年前に倒産(?)したRedZoneを現CEOが買収し、事業モデルを転換した。今は、下水管の点検・管理ロボットを販売している。今でもWhittaker教授は同社のChief Scientist and Advisorだ。

 昨日のワシントンポスト紙の記事では、このCEOが「It's very hard to have a business model that waits for nuclear disaster.(原発災害を待つような事業モデルは難しい)」とコメントしている。

 基本的に、RedZone社の原発災害ロボットの仕様は事故後に何が要求されているかによって決まり、そこから開発して行くというプロセスをたどったようだ。今回の福島第1原発においては、まだ事態は予断を許さない状況で、「今すぐに」使えるロボットが必要とされているのだが。

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