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2012年2 月21日

韓国のヒト型ロボット「HUBO」7台が米大学で共演

2月20日(昨日)、7台のHUBOが米Drexel大学のステージで共演したという。プレスリリースはここ

HUBO at Drexel

プレスリリースによると、NSFが2010年8月に、Drexel大学がリードするヒューマノイドの研究に600万ドルの予算をつけた。同大はその前にHUBOを購入済で、このお金を使ってさらに6台を購入した。参加大学は「MIT, Carnegie Mellon, Virginia Tech, the University of Southern California, Ohio State, Purdue and Penn」で、これからそれぞれにロボットは送られて行くって書いてあるけれど、これだと7大学で、でも1台はDrexelのものだろうから、あれ、計算が合わない。どこかの大学は2つで1台をシェアするのだろうか。

この日はすべての大学の関係者がロボットの使い方を学ぶために集合し、それにあわせて一般向けにロボットのショーを開催したようだ。あまり解像度が高くないけれど、以下が動画。

ところで、お気付きの読者がいるかもしれないが、このプロジェクトのメンバーと、こっちのプロジェクトのメンバーが重なっている。

2012年2 月 8日

ボストン・ダイナミクスの4足ロボット「AlphaDog」、外に出る

Boston Dynamics社の軍事用4足ロボット「AlphaDog」の最新動画。いよいよ独立して外に出た。運んでいる荷物よりも、本体がまだ重そう。

 これはDARPAのYouTubeチャンネルにあがったビデオで、そこの説明文を抜粋すると:

Today's dismounted warfighter can be saddled with more than 100 pounds of gear, resulting in physical strain, fatigue, and degraded performance. To help alleviate the impact of excess weight on troops, DARPA is developing a highly mobile, semi-autonomous four-legged robot, the Legged Squad Support System (LS3). LS3 includes onboard sensors to perceive obstacles in its environment and path-planning capabilities to avoid them. The LS3 platform is designed with the squad in mind and is therefore significantly quieter, faster and has a much higher carrying capacity for longer mission durations than DARPA's earlier mobility technology demonstrator BigDog. The LS3 prototype recently completed its first outdoor assessment, demonstrating mobility by climbing and descending a hill and exercising its perception and autonomous follow-the-leader capabilities.

意訳「こんにちの歩兵は45kg以上の荷物を抱え、疲れやすい。過重量を軽減するため、DARPAでは半・自律型の4足ロボット『LS3』(注:ボストン・ダイナミクスではこれをAlphaDogに改名した)を開発中だ。LS3は障害物を検知するセンサーを搭載し、それらを避けられる経路計画能力を持っている。LS3プラットホームは分隊を念頭においているので、BigDog(=以前のモデル)に比べてかなり静かで、速く、より重いものを長時間運べる。LS3のプロトタイプは最近、初めてアウトドアでの評価試験を完了した。山の斜面を登ったり下りたりし、認知機能と、自立的にリーダーをフォローする機能をデモした。」

IEEE Automaton より。

追伸:撮影が山で行われいてるせいか、なぜか「もののけ姫」を連想する。

2011年6 月25日

米大統領が宣言「米国の製造業を復活へ」、次世代ロボット開発に投資

6月24日、オバマ大統領がカーネギー・メロン大学のNational Robotics Engineering Centerで演説し、米国の製造業を再活性化させると宣言した。演説の全文はここ。その中から抜粋すると、

If we want a robust, growing economy, we need a robust, growing manufacturing sector.(我々は丈夫で成長する経済が欲しいならば、丈夫で成長する製造業を必要とするのだ。)

We have not run out of stuff to make. We’ve just got to reinvigorate our manufacturing sector so that it leads the world the way it always has –- from paper and steel and cars to new products that we haven’t even dreamed up yet. That’s how we’re going to strengthen existing industries; that's how we’re going to spark new ones. That’s how we’re going to create jobs, grow the middle class, and secure our economic leadership.(作るものがなくなったわけではない。紙から鉄、車、そして今はまだ考えも及ばない製品まで、製造業が従来通り世界をリードできるよう、再活性化をしないわけには行かない。そうして既存の産業を強化し、新産業に火をつける。また、雇用を生み出し、ミドルクラスを育成し、経済的リーダーシップを確保するのだ。)

また、製造業を再活性化するための手段として、オバマ大統領はAdvanced Manufacturing Partnership(AMP)というイニシアチブを立ち上げた。これは「a national effort bringing together industry, universities, and the federal government to invest in the emerging technologies that will create high quality manufacturing jobs and enhance our global competitiveness(産学官共同で、良質の製造業雇用を創出し、国際競争力を高める国家政策)」だ。次世代の製造技術を実現する情報技術とバイオテクノロジー、ナノテクノロジーに投資する。

このイニシアチブの主な参加者は、以下の通り。

The AMP will be led by Andrew Liveris, Chairman, President, and CEO of Dow Chemical, and Susan Hockfield, President of the Massachusetts Institute of Technology. Working closely White House’s National Economic Council, Office of Science and Technology Policy and the PCAST, AMP will bring together a broad cross-section of major U.S. manufacturers and top U.S. engineering universities. The universities initially involved in the AMP will be the Massachusetts Institute of Technology, Carnegie Mellon University, Georgia Institute of Technology, Stanford University, University of California-Berkeley, and University of Michigan. The manufacturers initially involved in the AMP will be Allegheny Technologies, Caterpillar, Corning, Dow Chemical, Ford, Honeywell, Intel, Johnson and Johnson, Northrop Grumman, Procter and Gamble, and Stryker.

具体的なプロジェクトがいくつか挙がっているが、そのうちロボットに直接関連するのは、次の項目。

Investing in next-generation robotics: The National Science Foundation, National Aeronautics and Space Administration, National Institutes of Health and the Department of Agriculture are coming together to make available today $70 million to support research in next generation robots. These investments will help create the next generation of robots that will work closely with human operators – allowing new ability for factory workers, healthcare providers, soldiers, surgeons and astronauts to carry out key hard-to-do tasks.

次世代ロボットへの投資:全米科学財団(NSF)、米航空宇宙局(NASA)、国立衛生研究所(NIH)、農務省が共同で、次世代ロボットの研究に対して7,000万ドル(約60億円)を助成する。これらの投資は、人間のオペレーターと密接に働く次世代ロボットの開発を支援する。こうしたロボットは、工場労働者やヘルスケア従事者、兵士、外科医、宇宙飛行士に対し、難しい作業を遂行するための新たな機能をもらたす。

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ソフト・ネット産業で世界を圧倒的にリードしてきた米国、その一方で「Made in USA」のモノを見つけるのが本当に難しいこの米国で、今この時期に、国際競争力強化と雇用創出のためには、製造業の復活が欠かせないとの判断が下されたことに、GetRoboは大きく心を動かされています。

製造業はロボットの面からだけでなく、材料、エネルギーなどの面からも転換期を迎えています。既存の製造技術を徐々に改善して品質を高めてきた時代から、抜本的にモノの作り方を変革する時代に。「ゲームのルール」が変わるのです。それを機に、米国が「新しい製造業」(今回はAdvanced Manufacturingという言葉遣いをしている)で必ずやリーダーになって見せるという宣言にほかなりません。

2011年4 月27日

原発災害ロボットの第一人者、Red Whittaker教授をインタビュー

Whittaker_4  カーネギー・メロン大学(CMU)のRed Whittaker教授をインタビューしました(写真はCMU提供)。記事はWall Street Journal日本版をご覧ください。 

 実は先日、ロボコンマガジン2011年5月号Google Lunar X PRIZEの記事を書くのに、同教授に取材を申し込みました。地震が起きる前のことです。でも結局、音沙汰なしで、代わりに、同教授と共同で大会参加のための会社を設立した社長さんにお話をうかがいました。

 そういった経緯があるので、今回も駄目モトで取材を申し込んだところ、即座にお返事をもらいました。それだけ原発災害ロボットには熱い思い入れがあるのだと思います。

 また今回、ロボットとは関係ありませんが、前々から質問したかったことも聞くことができました。同教授の本名はWhilliam さんですが、世界ではRed Whittakerとして有名。このRedという名前はどこから来たのか?「子供のころ赤毛だったから」だそうです。それで、本名よりもRedのほうが自分にしっくりくるからと、今は小切手の署名などもRedだそうです。で、記事中もRedのほうが好ましいということでしたので、そうしました。

 直接お話を聞く機会があるのは今回が2度め。1度目は無人ロボット車のレース、アーバン・チャレンジの時でした。そのときの記事はここにあります

2011年3 月28日

原発災害ロボットの開発を手掛けたRedZone Roboticsという会社

 過去の原発事故で役立ったロボットはないのかと調べ始めたところ、ピッツバーグにRedZone Roboticsという会社があることを知った。

 同社は1987年にカーネギー・メロン大学のWhilliam Whittaker教授が設立した会社だ。最近だと、DARPAの無人ロボット車レース「アーバン・チャレンジ」で優勝したチームのリーダーとして、同教授は有名。

 少し歴史をひもとくと、同教授は1979年に起きたスリーマイル島の原発事故の後、現場で使えるロボットの開発依頼を受けた。同教授の研究室が開発したロボットは、損傷した原子炉の様子を初めて映し出すのに成功。その後、1台のロボットは4年間(!)、放射線を浴びた建造物の取り壊しや水、溶融した燃料の処理で活躍したという。

 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の後も、同教授たちが開発したロボットが使われた。そして、人間には危険な場所で作業ができるロボットを商品化するため、RedZone Robotics社を設立。Whittaker教授のあだ名が「Red」であること、Red Zoneとは「危険区域」という意味であることが社名の由来だ。

 チェルノブイリで使われたロボット「PIONEER」に関する記事がここに出ている。記事によると、PIONEERは長さ約1メートル、高さ約1メートル、遠隔操作型で、以下のような機能を備えていた。

☆Generate photo-realistic 3-D images of the reactor interior (写真に近い、原子炉内部の3D画像の撮影)

☆Develop radiological maps of the interior to help operators and contractor personnel plan safe stabilization and remediation activities(人間の作業者が安全に復旧作業に取り組めるよう、内部の放射能レベル地図の作成)

☆Monitor temperature and humidity conditions to keep additional radiation from leaking into the environment (外部環境にさらに放射能がもれないように温度と湿度のモニタリング)

☆Move and clear debris to create safe ingress and egress for other machines and workers during remediation activities (復旧作業のために他の機械や作業者が安全に出入りできるような出入り口を作るための瓦礫の除去)

☆Collect core samples of structural material to determine the integrity of impacted walls and columns (壁や柱の完全性を見極めるための建造物のサンプル収集)

 大いに役立ったロボットたちだが、その後、RedZone社は危険作業ロボットの事業化を断念する。2008年5月のこの記事によると、その5年前に倒産(?)したRedZoneを現CEOが買収し、事業モデルを転換した。今は、下水管の点検・管理ロボットを販売している。今でもWhittaker教授は同社のChief Scientist and Advisorだ。

 昨日のワシントンポスト紙の記事では、このCEOが「It's very hard to have a business model that waits for nuclear disaster.(原発災害を待つような事業モデルは難しい)」とコメントしている。

 基本的に、RedZone社の原発災害ロボットの仕様は事故後に何が要求されているかによって決まり、そこから開発して行くというプロセスをたどったようだ。今回の福島第1原発においては、まだ事態は予断を許さない状況で、「今すぐに」使えるロボットが必要とされているのだが。