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2011年6 月27日

米国のロボット研究グループの広報戦略

少し前の話になりますが、日本ロボット学会誌2011年3月号の特集「研究者が『ロボット』を伝えるために」で、記事を書かせていただきました。ちょうど地震と前後して発行され、その後、ばたばたしていたため、今日になっての報告です。

私は「米国のロボット研究グループの広報戦略」という題名で文章を書きました。その内容は、私が以前からずっと書きたいと考えていたものです。日本ロボット学会の会員以外の方々にもぜひ読んでいただきたいと思い、同学会の了承を得たうえで、GetRobo Premiumに掲載しました。

地震、原発事故を経て、日本の政府、企業、大学、個人は、かつてないほどコミュニケーション能力が問われています。ロボットの研究に限らず、いつ、だれに向けて、何をどう伝えるのか。どうやって理解してもらい、味方・仲間・顧客になってもらうのか。目的を明確に定め、その目的に応じて効果的な情報発信をすることが極めて重要です。

「米国のロボット研究グループの広報戦略」では、最近の米国における広報の成功例を取り上げています。ぜひご覧ください。

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2011年6 月25日

米大統領が宣言「米国の製造業を復活へ」、次世代ロボット開発に投資

6月24日、オバマ大統領がカーネギー・メロン大学のNational Robotics Engineering Centerで演説し、米国の製造業を再活性化させると宣言した。演説の全文はここ。その中から抜粋すると、

If we want a robust, growing economy, we need a robust, growing manufacturing sector.(我々は丈夫で成長する経済が欲しいならば、丈夫で成長する製造業を必要とするのだ。)

We have not run out of stuff to make. We’ve just got to reinvigorate our manufacturing sector so that it leads the world the way it always has –- from paper and steel and cars to new products that we haven’t even dreamed up yet. That’s how we’re going to strengthen existing industries; that's how we’re going to spark new ones. That’s how we’re going to create jobs, grow the middle class, and secure our economic leadership.(作るものがなくなったわけではない。紙から鉄、車、そして今はまだ考えも及ばない製品まで、製造業が従来通り世界をリードできるよう、再活性化をしないわけには行かない。そうして既存の産業を強化し、新産業に火をつける。また、雇用を生み出し、ミドルクラスを育成し、経済的リーダーシップを確保するのだ。)

また、製造業を再活性化するための手段として、オバマ大統領はAdvanced Manufacturing Partnership(AMP)というイニシアチブを立ち上げた。これは「a national effort bringing together industry, universities, and the federal government to invest in the emerging technologies that will create high quality manufacturing jobs and enhance our global competitiveness(産学官共同で、良質の製造業雇用を創出し、国際競争力を高める国家政策)」だ。次世代の製造技術を実現する情報技術とバイオテクノロジー、ナノテクノロジーに投資する。

このイニシアチブの主な参加者は、以下の通り。

The AMP will be led by Andrew Liveris, Chairman, President, and CEO of Dow Chemical, and Susan Hockfield, President of the Massachusetts Institute of Technology. Working closely White House’s National Economic Council, Office of Science and Technology Policy and the PCAST, AMP will bring together a broad cross-section of major U.S. manufacturers and top U.S. engineering universities. The universities initially involved in the AMP will be the Massachusetts Institute of Technology, Carnegie Mellon University, Georgia Institute of Technology, Stanford University, University of California-Berkeley, and University of Michigan. The manufacturers initially involved in the AMP will be Allegheny Technologies, Caterpillar, Corning, Dow Chemical, Ford, Honeywell, Intel, Johnson and Johnson, Northrop Grumman, Procter and Gamble, and Stryker.

具体的なプロジェクトがいくつか挙がっているが、そのうちロボットに直接関連するのは、次の項目。

Investing in next-generation robotics: The National Science Foundation, National Aeronautics and Space Administration, National Institutes of Health and the Department of Agriculture are coming together to make available today $70 million to support research in next generation robots. These investments will help create the next generation of robots that will work closely with human operators – allowing new ability for factory workers, healthcare providers, soldiers, surgeons and astronauts to carry out key hard-to-do tasks.

次世代ロボットへの投資:全米科学財団(NSF)、米航空宇宙局(NASA)、国立衛生研究所(NIH)、農務省が共同で、次世代ロボットの研究に対して7,000万ドル(約60億円)を助成する。これらの投資は、人間のオペレーターと密接に働く次世代ロボットの開発を支援する。こうしたロボットは、工場労働者やヘルスケア従事者、兵士、外科医、宇宙飛行士に対し、難しい作業を遂行するための新たな機能をもらたす。

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ソフト・ネット産業で世界を圧倒的にリードしてきた米国、その一方で「Made in USA」のモノを見つけるのが本当に難しいこの米国で、今この時期に、国際競争力強化と雇用創出のためには、製造業の復活が欠かせないとの判断が下されたことに、GetRoboは大きく心を動かされています。

製造業はロボットの面からだけでなく、材料、エネルギーなどの面からも転換期を迎えています。既存の製造技術を徐々に改善して品質を高めてきた時代から、抜本的にモノの作り方を変革する時代に。「ゲームのルール」が変わるのです。それを機に、米国が「新しい製造業」(今回はAdvanced Manufacturingという言葉遣いをしている)で必ずやリーダーになって見せるという宣言にほかなりません。

2010年4 月29日

第1回 National Robotics Week

 FIRSTRoboGamesで慌しくしていましたが、遅ればせながら、第1回 National Robotics Week の期間中、スタンフォード大学で開かれたRobot Block Party についてご報告申し上げます。(私はこれに参加した後、飛行機でFIRST取材のためにアトランタに飛びました。)

NRW sign

 このイベントではシリコンバレーに拠点のあるロボット関連企業やグループが一堂に会し、最新のロボットを一般に公開しました。ここに出展者リストがあります。

 ここで、Willow GaragePR2をお披露目していました。同社は世界の研究機関向けに10台のPR2を無償提供する予定ですが、そのうちの1台が展示されていました。首のところに番号が書いてあり、これは10台のうちの「09」番目。このロボットはどこに行くのでしょう~ 間もなく発表になると思うのですが。

  NRW PR2 full

NRW PR2 neck

 Willow Garageが開発中のテレプレゼンス・ロボット「Texai(テクサイ)」も会場をうろうろしていました。同社創業者のScott Hassan氏が遠隔操作(WG本社から?)して、会場にいる人たちと会話している場面もありました。下の写真の画面に写っているのはScottさん。以前、Anybotsのテレプレゼンス・ロボットを使わせてもらったことがありますが、Texaiのほうが操作者の顔がはっきり見えて、会話しやすそうでした。

NRW Texai

 産業用ロボット・メーカーのAdept Technologyのデモがおもしろかったです。来場客がiPadに文字や絵を書くと、それをiPhoneでサーバーに送り、右側のロボットが紙を配置して、左側のロボットがその通りの文字・絵を紙にかくというものでした。発売されたばかりのiPadを使っていたのがミソですね。

NRW Adept
 

NRW Adept 2

 そしてきちんと話を聞きたかったのだけれど時間切れでできなかった、StickyBot。ちゃんとBotJunkieに記事が出ています。 

NRW Stickybot

 スタンフォード大学の無人ロボット車、Juniorも外に展示してありました。

NRW Junior

 下はJuniorの頭脳部。

NRW Junior brain   

 ちなみに、第2回National Robotics Weekは2011年4月9-17日に決まったそうです。

 

2010年4 月26日

虫のように壁にとまるUAV

 壁面にとまるUAVを開発するスタンフォード大学のPerching ProjectBotJunkieより。

2010年4 月 6日

Stanford Prof. Thrun back at Google:グーグルでロボットの開発?

 複数の情報筋により、スタンフォード大学のSebastian Thrun教授が、同大から1年間の「leave of absence(休職)」をとり、Googleで働いていることが分かった。同大工学部の広報担当者に問い合わせたところ、その事実を確認することができた。

 Googleで何をしているのか、については同大広報にも、そしてThrun教授本人にもメールで直接尋ねたみたが、残念ながら答えを得ることができなかった。2010年「要ウオッチ」米国のロボット トップ10でも書いたように、Googleが何かロボットにまつわるプロジェクトに取り組んでいるのではないかと思われるので、そのへんがぜひ知りたい。

 Thrun教授といえば、無人ロボット車の開発で世界的な有名人。過去にサバティカルを利用して、Googleで、Google ストリートビューを共同開発したことでも知られる。今回もその延長線上で、何か自律運転とGoogleマップとを組み合わせたよう研究プロジェクトに取り組んでいるのか。それとも全くそれらとは無関係の新しいプロジェクトなのか。現段階では想像することしかできない。

 一方、サンフランシスコからロサンゼルスまで完全自律走行するという計画はどうなったのかも気になるところ。当初はこの春に予定されていたのだが、関係筋によるとどうもソフトにバグが見つかったらしい。でもこれは正式には未確認情報。

 ス大広報による正式コメントは、「Professor Thrun's research group continues to work on Junior and autonomous driving, but we have not announced anything new about an intercity drive.」「Thrun教授の研究グループは(無人ロボット車の)Juniorと自律運転の研究を続けているが、都市間のドライブに関しては新しい情報は発表していない。」また、ス大では職員がサバティカルや休職制度を利用して民間企業に協力することはそう珍しくはない、とも広報担当者は言っている。ま、それは存じ上げているのですがね。